
| がん | 危険要因 | 防御要因 |
| 食道がん | 喫煙・飲酒 | 緑黄色野菜 |
| 胃がん | 高塩分摂取、ピロリ菌感染 | 緑黄色野菜、果物、緑茶 |
| 結腸がん | 高脂肪摂取 | 運動、食物繊維 |
| 膵臓がん | 喫煙、多食 | 緑黄色野菜 |
| 胆のうがん | 高脂肪摂取、肥満 | 胆石予防 |
| 肝臓がん | 喫煙・飲酒 | ウイルス感染予防 |
| 肺がん | 喫煙 | 緑黄色野菜 |
| 乳がん | 高脂肪摂取、肥満 | 運動 |
| 子宮体がん | 高脂肪摂取、肥満 | 運動 |
| 子宮頸がん | 喫煙、不特定性交 | 運動、緑黄色野菜 |
| 前立腺がん | 高脂肪摂取 | 緑黄色野菜 |




悪性腫瘍は細胞内の重要な遺伝子に”発がん性”の突然変異が蓄積し、異常な増殖や形質転換を引き起こしたときに発生する
と考えられている。 遺伝子の突然変異は放射線や科学物質による直接的なダメージが原因となることもあれば、細胞分裂に
先立つDNA複製の際の単純なエラーとして生じることもある。 いずれにしても変異が蓄積しないとがん細胞にはならない。
従来は体内に少しでも腫瘍細胞が残っていれば、がんが再発する危険性があると考えられてきた。 そのため現在の
治療法はできだけ多くのがん細胞を殺すことを重視している。
しかし現在では、新たながん組織を作る力を持つ腫瘍細胞は、がん組織中のほんの数%しかないことがわかってきた。
これらの特殊な細胞だけを取り除くことができれば、より効果的にがんを根絶できると考えられるようになってきた。
これらの細胞は、新たながん細胞の供給元であると同時に、腫瘍の悪性化の原因でもある可能性が非常に高いため、
「がん幹細胞」とよばれている。
殆どの組織では、新旧の細胞が入れ替わることで、細胞の数を一定に保っている。細胞数を維持するメカニズムは身体中
どこをとっても同じである。このメカニズムの大もととなっているのは、小数の幹細胞である。 寿命の長い幹細胞は、
新たな細胞を補充する生産工場として働いている。
幹細胞自体は、「自己複製」という独自の能力によって未分化の状態を保っている。
新しい組織を作るときは、まず幹細胞が2つに分裂するが、その結果できた娘細胞のうち、分化が進むのは片方だけで、
もう一方の娘細胞は、分裂する前の幹細胞と全く同じ特徴を持ち続ける。 そのため、細胞の数は一定に保たれる。
「細胞の悪性化」の定義には、がん細胞の「無限の増殖能力と不死化」に加えて、「近くの組織に侵入したり、身体内の離れた
部位に移動(転移)する能力」が挙げられる。 がん細胞では、それぞれの細胞の特徴な増殖を制御する機構が失われている。
幹細胞は寿命が長いうえに分裂する回数も多いため、遺伝子の損傷が蓄積する危険性が高い。
実際、放射線を浴びたあと何十年もたってから、がんができることが多いのは、幹細胞の寿命が長いためだと思われる。
最初に受けたダメージは第一歩にすぎず、正常な細胞が悪性化するには、いくつかの変異が重なる必要がある。
がん細胞集団の中から、がん幹細胞を見つけ出すことができるようになってきた。 がんを根絶するには、がん幹細胞を
うまく狙い撃ちするような治療が必要である。 その治療には、がん幹細胞が存在する部位を摘出することも含まれる。
がんの発生とがん幹細胞について
※日経サイエンス2006年10月号「幹細胞の暴走がガンを招く」
(M.Fクラーク/M.W.ベッカー)
| 発がん物質 | がんが発生する場所 | 解説 |
| 胃の中でできる、ニトロソジメチルアミン | 肝臓、腎臓など | 海産魚類、特に魚卵に含まれるジメチルアミンという物質が、胃の中(酸性の場所)で、亜硝酸と反応してできる。亜硝酸は、唾液や野菜のほか、ハム、ソーセージなどに含まれている。なお、この物質は、ビタミンCがあるとできにくくなる。 |
| かびに含まれるアフラトキシン | 肝臓など | もともと熱帯から亜熱帯に分布するカビ。これらの地域から輸入されたトウモロコシ、ナッツ類 にはえることがある。発がん性は非常に高い。 |
| 食品の焦げに含まれるphipなど | 大腸、乳腺、前立腺など | 焦げの中には10種類ほどの発がん物質があるが、この中うちphipという物質は、大腸がんなどを発生させることがわかっている。 |
| たばこ | 肺、ぼうこう、口腔、咽頭、食道、膵臓など | たばこの煙には、ホルムアルデヒド、ヒドラジン、塩化ビニル、ニトロソジメチルアミンなど多種類の発がん物質が含まれている。また、喫煙者は左に挙げた部位のがんの発生率が非喫煙者よりも高いことが証明されている。喫煙者だけでなくその家族なども、がんの発生率が高くなる。 |
がんになりやすい生活習慣チェック!
私たちの身近に潜む発がん物質
このほか、ダイオキシンやアスベストなどの環境汚染物質や、環境ホルモンと呼ばれる物質にも発がん性があるといわれている。これらすべてを避けることは到底不可能だが、がんを促進する物質を長い間摂取するような環境でない限り、がんをおさえる物質を積極的にとったり、がんにならないような生活習慣をつけることで、がんの発生を防ぐことができる。
出典:がんの早期発見と 治療の手引き