<がんについて>
がんの発生メカニズムは、はっきり解明されていません。
「人間の身体は約60兆個の細胞から成り立っています。 それらの細胞の一つ一つに寿命があります。
分裂・増殖し、与えられた役目を終えると、予め遺伝子に組み込まれたプログラムによって、死滅します。
そして身体はまた新しい細胞を再生することで、個体を維持しています。
このことは、正常な状態では新しい細胞が必要なときだけ、細胞の分裂・成長が引き起こされ、無闇に分裂・増殖しないような制御機能が働いていることを意味します。
ところが、細胞の遺伝子に何らかの原因で、突然変異が起こると、その細胞は死ななくなり、無制限に増殖を始めます。
これが、がん細胞です。
その八割近くは、喫煙や食物、ストレスの多い生活など生活習慣によって、遺伝子が傷つけられた結果、発生する可能性が高いと言われています。
こうしてできた異常細胞の塊が腫瘍であり、悪性のものは正常組織に浸潤していって、無制限に栄養を摂取したり、他の組織を圧迫したりするなどして、多臓器不全や身体の衰弱を招き、人を死に至らしめることが多々あるのです。」
                                  (帯津良一 医学博士(帯津三敬病院名誉院長))

がん遺伝子治療


<腫瘍マーカーについて>

体内に腫瘍ができると、健康なときにはほとんど見られない特殊な物質が、その腫瘍により大量につくられ、血液中に出現してきます。この物質を「腫瘍マーカー」といいます。
腫瘍マーカーは、がんの発生臓器と強い関連性を持つ特徴があるため、血液中にこの物質が基準以上に出たときは、がんがあることが推測されます。
腫瘍マーカーの検査は、がんのスクリーニング(ふるいわけ)として行われますが、現状ではまだ理想的な検査とはいえず、腫瘍マーカーが陽性だからといって必ずがんがあるわけではなく、反対に陰性だからといって完全にがんが否定できるわけではありません。
数値の上昇はがんの進展に比例することが多く、早期では正常のこともあるため、がんの早期発見のためというよりも、主としてがんを診断していくうえのひとつの補助的な検査、あるいは治療していく上での経過観察の検査としての意味合いが強くなっています。

検査の方法

おもな方法としては、採取した血清にモノクロール抗体という試薬を加えると、含まれている腫瘍マーカーと結びつくので、その量を測定します。また、尿や膣分泌液などを採取することもあります。
確定診断は、ほかのマーカーも参考にしながら、超音波検査やX線CT、血管造影などの画像診断、生検などを総合して下されます。
また診断が確定したあと、がんの進行程度の判断や治療後の経過観察、再発や転移の発見に役立てられています。

                                     参照:  腫瘍マーカー.com

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補足情報−がん遺伝子治療 

<腫瘍マーカーの問題点>

まず第一に、がんの早期から腫瘍マーカーが高値を示すことが少ないという問題があります。
腫瘍がある程度大きくならないと高値にならなかったり、人によっては最後まで検出できなかったりする場合もあります。
さらに、がん以外の良性の疾患や加齢によって高値を示すものも存在するため、腫瘍マーカーが高値であってもがんであるとは限りません。
また、がんが進行して大きくならないと異常値を示さないといったことがありますので、腫瘍マーカーのみによる診断は危険です。
確定には、画像診断や生検といったほかの検査を同時に行い総合的に判断する必要があります。
第二に、腫瘍マーカーの感度と特異度の問題があります。
感度とは、がんである人を正しくがんと診断できる正確さのことです。感度が低いと、本当にがんである人を正常と診断し、がんを見逃してしまいます。
特異度が低いと、正常な人をがんと診断してしまい(=偽陽性)、不安を与え、さらに必要のない検査をしなくてはならない負担を課してしまうことになります。
現在の腫瘍マーカーの中には、この感度と特異度がとくにがん発生の初期において不足しているために、がんのスクリーニング(ふるいわけ)には用いることが出来ないものが数多く存在します。
最後に、臓器特異性の問題、つまり腫瘍マーカーとがんが明確に対応していいないという点が挙げられます。ある腫瘍マーカーが陽性となったとき、ここの臓器にがんがあるというように診断がすぐに絞り込めればよいのですが、そうではありません。
例えばCEAという腫瘍マーカーがありますが、大腸がん、乳がん、胃がん、膵臓がんなど、さまざまながんで高値を示す(=臓器特異性が低い)ことがあります。
臓器特異性が低いと、がんは身体のどこかに存在するのだろうけれど、どこの臓器に存在するのかわからず、追加の二次検査を行わなくてはならないなど、患者への負担が大きくなってしまいます。
一方PSAという腫瘍マーカーは、前立腺がん以外のがんでは高値を示しません(=臓器特異性が高い)。しかし、がんではなく前立腺炎や前立腺肥大といった良性疾患、加齢により高値を示すこともあるので、PSAが高値であってもがんであるとは限りません。

その他の腫瘍マーカー

検体は最後のポリアミンとBJPのみが尿となっており、それ以外はすべて、血清を調べます。

腫瘍マーカーの一覧
名前 対象 内容
AFP 肝臓がん AFPとは、胎児の血清中にみられるタンパクの一種で、出生後は消失しますが肝臓がんになると増加します。
CEA 消化器系がん CEAは胎児の消化器細胞だけにあるタンパクの一種ですが、がん細胞が増殖している組織内からもつくり出されます。
CA15-3 乳がん 初期の乳がんではほとんど陽性を示しませんが、転移性乳がんに陽性率が高く、手術後の経過観察に大変有用です。
CA19-9 消化器がん、とくに膵臓がん 消化器がんの中でも、とくに膵臓がんに特異性の高い腫瘍マーカーです。早期発見に関しては有用性が低いのですが、治療効果を調べる場合などに役立ちます。
CA125 卵巣がん、子宮がん 卵巣がん、子宮がんに特異な反応を示す腫瘍マーカーです。
CA602 卵巣がん 上皮性卵巣がんのマーカーとして有用で、がんの診断および術後再発の早期発見、治療のモニタリングなどに用いられています。
TPA 他の腫瘍マーカーと組み合わせて判定 原発部位に関係なく、ほとんどすべてのがんで上昇がみられます。がんの補助診断、病気の進行や術後再発のモニターに役立ちます。
PSA(前立腺特異抗原) 前立腺がんの早期発見 前立腺に特異的にみられる腫瘍マーカーで、前立腺がんが疑われるとき、まず行われるスクリーニング(ふるいわけ)検査として位置づけられています。
CYFRA(シフラ): 肺がん 肺がんのうち扁平上皮がん、腺がん、大細胞がんなどの非小細胞がんで陽性率が高く、病気の診断、経過や治療成績の判定に役立ちます。
なかでも扁平上皮がんでは早期から陽性になるため、その早期診断にも有効とされています。
SCC 扁平上皮がん 扁平上皮がんに対して陽性を示す率が高く、子宮頚管部や肺の扁平上皮がんを診断する指標として用いられています。
NSE 小細胞肺がん

神経細胞に極めて特異性が高く、各臓器に分布する神経細胞末端に免疫染色で証明されます。さらに、神経内分泌細胞でも産生されています。
したがって神経内分泌細胞由来の腫瘍で大量に産生され、また神経内分泌腫瘍的な性格を示す小細胞肺がんの腫瘍マーカーとして診断や治療経過のモニタリングに利用されています。

SLX 肺がん、消化器がんなど がん細胞によって産生される糖鎖を検出する腫瘍マーカーです。肺がん、消化器がん、乳がん、卵巣がんなど、腺がんを主とした広範ながんで増加し、非がん疾患での偽陽性率が低く、がん特異性の比較的高いのが特徴です。
hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン) 卵巣がん、精巣がん、肺がん 妊娠期の胎盤の細胞が生産する性腺刺激ホルモンで、妊娠中期のダウン症のスクリーニング(ふるいわけ)検査として有用ですが、卵巣がん、絨毛がん、精巣がん、肺がんなどでも陽性を示すため腫瘍マーカーとしても利用されています。
PIVKA-U: 肝臓がん タンパクの一種で、ビタミンK欠乏のときに肝細胞で作られる異常プロトロンビンですが、肝臓がんでも出現することから腫瘍マーカーとして利用されるようになりました。
フェリチン 造血系の腫瘍 フェリチンは血液中に含まれるタンパクの一種で、造血系の腫瘍(白血病や骨髄腫)で陽性になる確率が高いのですが、肝臓がん、膵臓がん、胆道がん、大腸がんなど多くのがんで高値を示すため、部位を限定することはできません。
エラスターゼ1 膵臓がん エラスターゼはタンパク分解酵素の一種で、膵臓以外に白血球、血小板、大動脈などに存在しますが、膵臓に含まれる量が最も多く、膵臓がんが疑われる場合に測定されます。
p53抗体 食道がん、大腸がん、乳がん、子宮がん

がん細胞をもつ人の体内だけに作られる抗体を測るというもので、その陽性率は、0-T期30〜40%、U期40%、V期も40%、W期は30%台となっており、特に、早期がんに対しては従来の腫瘍マーカーの約10倍と格段に成績が向上しています。
p53抗体と従来のマーカーと組み合わせることで、血液検査だけでも50%ぐらいの確率でがんの疑いが判別できると期待されています。

CTスキャン結果の撮影映像を見ると、形を見ただけで、悪性の腫瘍かどうかの判断がある程度わかります。
悪性のものは、我が物顔のイメージで、とがった形をしており、自分の存在組織の殻をかち破って、他の組織に無遠慮に浸潤していく様相を示しています。 悪意を感じます。
早期発見を行い、その主幹細胞を根絶し、原因と思われる生活習慣を少しでも改めていくことにより、その悪魔を退治することができます。 第一の良薬は、早期発見です! それと、自分の身体に備わっている免疫力を高めていことが大切です。

<がんの発見方法>

がんの発見の主な機会は、次のようなものです。、
・会社・学校・地域組織等で実施される健康診断 ・・・ 肺がん、胃がん、大腸がん、前立腺がん、乳がん、子宮がんなど
 定期的に、自分は大丈夫だと、たかをくくらずに、面倒がらずに受診することが大事です。
人間ドック
・自分で、体調不良を訴え、病院で検査してもらった場合

手段としては次のようなものです。
・レントゲン、血液検査、便検査、たん検査、触診、分泌液、尿検査など
・CT、MRIは、通常の検診では行われません。
 これは、より正確な結果が得られますが、高価であり、また、頻度を多く行うことには、身体への影響ということで、
 懸念を示す研究者もおります。

☆がん検診の目的は早期発見ですが、すべてのがんをチェックするわけではありません。
そこで、家系的にがん患者が多い人は前もって問い合わせて、必要な追加検査を受けるようにするとよいでしょう。

検知方法>

視覚的、映像的によるもの ・・・ レントゲン、CT、MRIなど
血液、尿、便などに含まれる成分の数値異常を検知するもの
腫瘍マーカーによるもの
 がんの種類は多種にわたり、それを一回で検査する方法がとれれば一番いいのですが、現時点ではそれは実現されて
 おりません。
 がんの種類に対応して異常数値を検査、検知することが必要です。
 これについては、病院による検査以外に、市販の検査キットを使用することによっても、検知が可能な状況です。

補足情報−がん検査追記 

がん検査についての追記です。

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名前 基準値 特徴
IAP 500ug/ml以下 免疫機能の低下する悪性腫瘍(消化器がん、肺がん、卵巣がん)や慢性炎症などで上昇するため、経時的に測定すると治療経過・再発などを判定する指標となります。
BFP 75ng/ml以下 消化器、泌尿器、生殖器などのがんのマーカーとして利用されています。
SPan-1 抗原 37U/ml以下 膵臓がん、消化器のがんの診断補助、治療効果判定、経過観察などに有用です。
DUPAN-2 150U/ml以下 膵臓、胆道、肝細胞がんのマーカーとして有用ですが、良性疾患でも高値を示すことがあります。
NCC-ST-439 7U/ml以下 当初は胃がんのマーカーとされていましたが、膵臓をはじめとする消化器がんや、乳がんの目安としても利用されています。
BCA225 160U/ml以下 乳がんへの特異性が高いため、乳がんの治療効果や再発の判定に有用です。
ProGRP 46pg/ml未満 肺がんに特異性が高く、NSEよりも早期に数値が上昇します。
PAP 3ng/ml以下 前立腺のマーカーですがほかの病気でも反応します。主に経過観察に用いられています。
γ-Sm 4ng/ml以下 前立腺のマーカーです。PAPやPSA(前立腺特異抗原)の補助的検査として行われます。
STN 45U/ml以下 胃、胆道、膵臓、卵巣、子宮頸がんなどで高値を示します。
CA50 40U/ml以下 膵臓と胆道系のがんに高い陽性率を示します。CA19-9やDUPAN-2などの腫瘍マーカーと併せて、これらのがんの診断、治療後の経過観察、再発の早期発見などに利用されます。
CA54/61 4U/ml以下 卵巣がんで高率に陽性となり、CA125などと併せて、診断材料となります。
CA72-4 4U/ml以下 消化器、卵巣、乳がんのマーカーとして有用です。
CA130 35U/ml以下 主に卵巣がんで上昇を示すマーカーです。
BAP 男性:13〜33.9U/l
女性:9.6〜35.4U/l
慢性腎不全による透析患者の診断指標として有用です。
Dpyr 男性:2.1〜5.4nmol/nmol・Cr
女性:2.8〜7.6noml/nmol・Cr
悪性骨髄腫の骨転移の有無、多発性骨髄腫の病状や治療など骨病変のモニターとして有効です。
KMO-1 530U/ml未満 消化器のがんに高い陽性率を示し、特に膵臓、胆嚢、胆管、肝臓がんで高くなります。病気の経過、治療効果の判定と、慢性膵炎、胆石、急性肝炎などの良性疾患との鑑別役立ちます。
ポリアミン 13.2〜46.2μmol/g・CRE がんの大きさや進み方を反映するため、経過観察や悪性リンパ腫の診断、抗がん剤や放射線療法の治療効果の判定などに使われます。
BJP 陰性(-) 多発性骨髄腫、慢性リンパ性白血病、原発性アミロイドーシスに反応します。

がん遺伝子治療とは、がん発生根源『遺伝子』に働きかける最先端治療
癌(がん)の発生根源は、『遺伝子の突然変異(異常)』です。
「がん遺伝子治療」は、癌から私たちの身体(細胞)を守る役割をするP53遺伝子(がん抑制遺伝子)を点滴、もしくは局部に注射することにより、本来の正しい遺伝子に戻しながら、ガンを根絶していく最先端の治療法です。

がん遺伝子治療の特徴
1〜2時間程度の点滴、もしくは局部への注射による治療です。正常細胞へダメージを与えないことから、原則、副作用が非常に少なく、また入院も不要です。外科手術、抗がん剤や放射線治療では効果が期待できない患者さまにも対応できる可能性が高く、新たな治療法として注目されています

がん遺伝子
 人間の体内には、がん発生の原因となる遺伝子が存在する。『がん遺伝子』と呼ばれるもの。
  これらの遺伝子の本来の役目は、細胞が正常に増殖するために必要なたんぱく質を作ること。
 ところが、何らかの影響で遺伝子が変化し、細胞を異常に増殖させてしまうのが、がんの発生に関係あるのではないかと
 考えられている。

がん抑制遺伝子
 一方、体内には、がん発生をおさえる『がん抑制遺伝子』も存在する。
 この遺伝子はおかしくなったがん遺伝子を正常に戻すはたらきがあると考えられている。
 つまり、この遺伝子に傷がついたりして、正常なはたらきができなくなると、がん化を促進する結果となってしまう。

・人間を取り巻く環境の中には、身体を素通りして遺伝子に傷をつけてしまう物質が存在する。代表的な例を紹介する。

 @化学物質
   飲食物や呼吸などを通して体内に取り込まれた化学物質が、体内で化学反応を起こし、遺伝子の変異の原因となる。
   現在、発がん性のある化学物質は約2000種ほどあるといわれている。
   発がん物質として有名なのは、たばこに含まれる化学物質だが、ピーナッツやトウモロコシに生えるカビなど、自然にできる物質にも含まれている

 A放射線
   原子爆弾が落とされた広島、長崎や、原発事故があったチェルノブイリなどで、白血病や甲状腺がんが高率に発生している。
    放射線と発がんの関係は実験でも確認されている。
 B紫外線
  紫外線と皮膚がんとの関係は、動物実験などで確認されている。
   また、紫外線の強いオーストラリアの白人に世界一皮膚がんが多いのもこのためではないかと考えられている。
 C
ウイルス
   ウイルスにも遺伝子に異常を起こすはたらきがあると考えられている。
   例えば、肝炎の原因であるC型、B型ウイルス(肝臓がん)、ヒトパピローマウイルス(子宮がん)などである。


・がんになりやすい体質は遺伝するのか
 がんは遺伝子の異常が原因で起こる病気ではあるが、親から子へ遺伝する病気ではない。
 遺伝するがんは、網膜芽細胞腫(小児の目にできるがん)などごく少数派。